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第3回;農薬と食 Pesticides and Foods その③「農薬リスクと向き合う」「Face the Individual Health Risk」

2025.7.23
第3回;農薬と食 Pesticides and Foods その③「農薬リスクと向き合う」「Face the Individual Health Risk」

(*注;参院選にsensitiveな内容を含んでいるため、参院選後のアップといたしました。)

『先生、うちの子は農薬の中毒だったと思うのです』。
そんな患者家族と出会ったのは、屋久島徳洲会病院での小児科診療を開始してから数か月が経ったころでした。「屋久島に小児科医師が一人も居なくなった。どうにかしてほしい」との要請があり、矢面に立たされた私が知り合いの医師達を集い、5人の小児科医ローテーションによる診療を開始したのが2012年の春。ちなみに、ネオニコチノイド系農薬の規制が世界で最初に始まったのはEUで2013年のことです。

広島市郊外にマイホームを購入し「普通に(父母談)」暮らしていたところ、当時小学6年生だった長男に倦怠感・頭痛/めまい・嘔気といった症状が突然出現し、ついには学校に行けなくなりました。いろいろな薬を試しても一向に改善しなかったが、ある漢方医の勧めで無農薬野菜中心の食生活を始めたところ症状が徐々に改善したとのこと。それ以降は今までの生活全てが信用できなくなり「自然遺産屋久島へ移住を決めたのです」とは父の談。屋久島での『自然療法』を求めて移住してくる難病奇病の人たちは多いので(自然志向の屋久島移住者については、次回のブログで紹介します)、当時の私は聞き流していたのですが、その後静岡県でも全く同様なケースを1例経験したため、私も農薬について勉強するようになった次第です。すると、高い基準値の日本では、一つ一つの食材の残留農薬が基準値以下であっても、摂取量次第では一日許容摂取量を超えてしまう事は普通に起こり得る(例えば、体重30kgの小学生がリンゴジュース250mL+ほうれん草10束+イチゴ10粒摂取すると、一日許容摂取量をoverする可能性が高い)のだと知りました。もちろん、一日許容摂取量の100倍以上を摂取しないと急性中毒症状は出現しないのでほとんどの人は無症状でしょうが、閾値の低い人に偶然(健康志向で国産野菜中心の生活など)が重なり、体調不良が続いたとしても不思議ではない、と私は考えます。

2025年3月、内閣府食品安全委員会はネオニコチノイド系農薬の一つであるイミダクロプリドについての農薬再評価結果を公表しました。再評価試験は以前から指摘されていた仔動物や次世代への影響、長期摂取の影響等の試験も追加実施されており、安全はある程度担保されたようです。また、コロナ後の物価上昇と令和の米騒動で食の安全意識は薄らいだようで、「オーガニックコーナー」を撤去したスーパーも多いそうです。農業国のカナダやフランスでは、ネオニコチノイド系農薬の使用制限をかけてもミツバチ大量死の報告は減ったとはいえいまだ続いており、農薬だけが原因ではないということも科学者の間では常識として受け入れられています。しかし、我子独尊、自分の子供にはできるだけオーガニック食品を食べさせるべきというのが世界の潮流であり、それを実行できる家庭なのかどうかが試されているのです。

慢性の体調不良でお悩みの方、尿中の残留農薬量を調べてみてはいかがでしょうか?遠慮なくEASEこども外来にご相談を(次回、7月30日頃アップ予定)。

小児科部長からのあいさつ

2025年、EASEこども外来は新しくなります。これからのこども達が未知なるリスクと闘っていけるように。広い世界で変化の鼓動を感じながら健康的に過ごせるように。

小児科部長からのあいさつ
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